小さな土地に小さな家を建てる場合、全ての部屋を広く計画することは難しく、LDKを広く計画するのか、個室を十分な広さとするのか、収納場所を充実させるのかなど、優先順位付けが求められます。
屋根裏収納を有効に計画することで十分な収納場所を確保し、LDKや寝室、個室などを広くすることができると思います。
屋根裏収納を計画する上での間取りやポイントとなる点をいくつかみていきたいと思います。
屋根裏収納のポイント
屋根裏収納を有効に活用するためには屋根裏収納まで荷物を持って行きたくなるような収納場所にする必要があります。そのためには・・・
- 梯子階段よりちゃんとした普通の階段
- 採光や換気ができる窓
- LDKは1階より2階がいい
- 収納室だけれど部屋としても使えるように
4つのポイントを上げてみました。
梯子階段はNG!ちゃんとした階段を
屋根裏収納への階段は簡易的な梯子(ハシゴ)階段としたり、天井の一部に階段が組み込まれていて、フックを引っ掛けることで梯子が降りてくる階段ものが一般的のように思います。
梯子は簡易的なもので1階から2階へ上がるためにつくられた階段に比べて、足場が安定せず上りにくいです。さらに大きな荷物を持って屋根裏収納に行くには転倒の可能性も高く危険です。年に1回行く程度ならともかく、日常的に使用したいとは思いません。
屋根裏収納への階段は梯子ではなく、通常のように階段に幅があり、踏み板もしっかりとし、手摺も設置されたものを計画することが必須です。
採光窓や換気窓を計画する
屋根裏収納には窓がない方が収納量としては増えるかもしれませんが、照明を点灯させなければ真っ暗ですし、あまり行きたい場所とはなりません。小さな窓を2つ計画をして風通しをよくすることが大切です。換気が行えることで湿気が高くホコリっぽくなりがちな収納空間の換気を行います。
窓からは太陽の光も入ってくるようになり、いつでも行き来できる場所とします。
2階にLDKがあると活躍する屋根裏収納
家全体の間取りについてですが、1階部分にLDK、2階部分に寝室や個室の間取りよりも、1階に寝室や個室、2階にLDKを計画した方が、屋根裏収納を最大限活かすことが可能となります。
1階部分にLDK、2階部分に寝室や個室の家では、日常的な生活は1階で行われ、寝る時など限られた時間のみ2階へ行きます。この生活スタイルでは、何か物を思って実質的に3階にあたる屋根裏収納まで荷物を持っていこうとは思わなくなります。2階部分に場所があれば、2階に収納するようになり、屋根裏収納は全く使用されない物置場所としか使われなくなることが想定できます。
1階に寝室や個室、2階にLDKでは、日常的な生活は2階で行われるため、1階下がれば個室、1階上がれば収納と、面倒くささは格段に改善されます。
子ども部屋としても・・・
2階建ての住宅に屋根裏収納を計画するときは、天井高1.4m以下としなければ3階建て扱いとなり、2階建てに比べて厳しい建築基準法が適用されることで、建物価格が上昇してしまいます。また、同じ建築基準法の中で天井高2.1m以下は居室として認められていないことから、生活をする場としてはいけないこととなっています。
自己責任となりますが、天井高1.4mの屋根裏収納は部屋として使用することは認められていませんが、一時的な子ども室として利用できたり、狭い場所が好きな人は、読書が好きな人は読書スペース、ちょっとした書斎代わりのも使用できます。
2階部分のLDKを屋根裏収納と同じ天井高まで吹抜として、LDKと屋根裏収納を窓で繋げば、屋根裏収納にも光や風が通り、ロフトのような使い方もできるようになります。
屋根裏収納を活かした間取りとは
屋根裏収納を有効に活用する間取りとは、安全に人が屋根裏収納に行きたくなるような間取りであること。また、屋根裏収納には風が通り、光も入り、1つの部屋のような雰囲気があることが大切です。
6畳分くらいの広めの収納空間があれば、収納の奥の方はラックやカラーボックスを並べて収納にしてもよいですし、季節外で使用しない家電や衣類などを保管しておいてもよいです。階段に近い部分に窓を計画して、マットを敷き、穴蔵的な落ち着ける場所として使用してもよいです。
物を収納する場所としてだけではなく、他の用途としても使用できる。そうすることで、大容量の収納場所としての有効活用だけではなく、居場所としての有効活用もできます。