クッションフロアは向上で大量生産できることもあり価格が安く、水にも強く人気の床材です。フローリングに比べ歩いた時に沈み込んでくれることから、足への負担が少なく高齢者にも優しい床材と言えます。
新築住宅やリフォームで採用される事の多いクッションフロアの技術は向上し続けていて、タイル調や木目調の柄は本物そっくりなほど似ていて、写真を並べられると分からないほどです。(近くで見れば光の反射で違いが分かりますし、歩けばすぐに違いは分かりますが・・・)
ただ、クッションフロアにもデメリットがないわけではありません。通常の合板フローリングなどとは違ったマイナス点があります。
クッションフロアならではの劣化
床材を選ぶときにクッションフロアを採用するか、合板フローリングを採用するか、悩むポイントになると思いますが、クッションフロアと合板フローリングは根本的に異なる素材でできています。
合板フローリングの基本的な素材は木であり、水に強くするために表面にウレタン塗装などを施してある商品もあります。クッションフロアは素材自体がビニル(塩化ビニルなど)でできています。
床材はキズや汚れ、太陽による紫外線などで徐々に劣化しますが、木でつくられた合板フローリングとは違い、クッションフロアは汚く劣化してしまうのが弱点です。時間と共に味わいが出てきたという事にはなりません。
接着剤による汚れ
合板フローリングを床に張り付ける時は接着剤で仮止めを行い、釘を使用してしっかりと止めていきます。クッションフロアの場合は、構造用合板の上に接着剤を塗り、クッションフロアシートを貼り付けていきます。
経験が浅い人が工事を行った場合や細かいところまで丁寧な仕事ができない人が工事を行うと、壁際やコーナー部分などに接着剤が壁部分に出てしまっている場合があります。また、クッションフロアと壁の間にできてしまった1mm以下の隙間を埋めるためにコーキングを行う業者もいます。
接着剤やコーキングが塗られた部分は時間と共にホコリがたまり、掃除機でも取り切ることはできません。徐々に薄汚れて行き、グレー色に変色し、汚れが蓄積していきます。
太陽光による劣化
太陽光による紫外線の影響は合板フローリングも受けますが、クッションフロアの方が劣化するスピードが速いように思います。色の濃いクッションフロアは色が薄くなっていき、白っぽいクッションフロアは黄色く変色していきます。
物を落とした時のキズ
クッションフロアにはキズを自己修復する力はありません。包丁やフォークなどを落とした場合には刺さり、クッションフロアに穴が空きます。穴が空いたまわりのところが黒ずみ始め、ホコリがたまるようになり、劣化していきます。
角のないものが落としても凹むだけですが、角がある物を落としてキズを付けてしまうと劣化を早める原因になります。
生活面以外での劣化
クッションフロアはシート上のものをクルクルと巻いた状態で搬入されてきます。そのため、一般的なクッションフロアの場合は短辺が182cmです。狭い部屋の場合は問題ありませんが、広い面積にクッションフロアを貼る場合には、クッションフロア同士の継ぎ目が必ずできます。継ぎ目の部分も黒ずみが付きやすく、劣化しやすい場所です。
冷蔵庫やベッドなど重たいものを長い間設置し続けると、クッションフロアに凹み跡が付いてしまい、元に戻ることはありません。頻繁にインテリアの模様替えをするときには注意が必要です。
クッションフロアは耐用年数10年と考えておきたい
クッションフロアの耐用年数は10年ぐらいと考えておいた方がよいと思っています。床として使用する分には問題ありませんが、クッションフロアの変色、黒ずみなどは掃除機や拭き掃除を行っても取り切ることはできないため、気持ちがついていきません。自分自身が年齢を重ね、当時選んだクッションフロアの柄に飽きてしまうことも考えられます。
いろいろな要因が重なり、10年くらいで「貼り替えたいな」と思うようになってきてしまいます。