家庭で使用する照明器具が白熱灯から蛍光灯に徐々に変わっていったように、蛍光灯からLED電球(照明)を採用する家庭が増えてきました。国としてもLED電球の使用を後押ししていることから、パナソニックは2018年の間に蛍光灯の生産を中止し、東芝も2017年3月を持って蛍光灯器具の生産を終了を発表しています。
2015年11月にメディアが「2020年に白熱灯・蛍光灯の製造を禁止する方針を政府が示した」と報道されましたが、一般社団法人日本照明工業会が経済産業省に問い合わせたところ、「2020年に白熱灯(白熱電球)、蛍光灯(蛍光ランプ)製造が禁止されることはありません。」と発表しています。
ただ、大手企業が蛍光灯を生産することをやめたことで、中小企業が蛍光灯の生産を担っていくことになります。今後、技術の革新、生産効率による低価格化などは起こりにくい状況になるのかなと思っています。
LED電球と蛍光灯の良いところ・悪いところ
現在よりも将来的にLED電球のシェアは増えていくと考えられますが、LED電球が蛍光灯に比べ全ての面で優れている訳ではありません。その当たりをチェックしていきましょう。
LED電球のメリットはやっぱり省エネルギーで長寿命
LED電球は蛍光灯に比べて同じ明るさであれば、使用する電力が1/3程度と少なくて済むため省エネルギーです。LED電球の価格は下がってきましたが、蛍光灯に比べ現在もまだ高価です。しかし、LED電球が壊れることなく寿命まで使い続けることができた時は、蛍光灯に比べトータルとして安価になります。(この辺りが悩ましいポイントですよね)
LED電球は内部の構造上、スポットライトのように瞬時に狭い範囲を光線で照らします。スイッチを押してから光るまでのタイムラグが少ないため、トイレや階段など、すぐに使いたいところ、狭いスペースなどに最適です。LED電球の寿命の長さを活かして、手の届きにくいところの照明にLED電球を採用すると、生活をする上で便利になります。
蛍光灯のメリットはそこそこ省エネ・そこそこ安い
蛍光灯はLED電球に比べて安く、技術が安定していることから、粗悪品ですぐに壊れたなどのデメリットが少ないところが魅力的です。すごく省エネルギーではありませんし、定期的に蛍光灯の交換も必要ですが、そこそこ省エネルギーですし、数年に1度の交換であれば、耐えられないほどではありません。
蛍光灯は、電気のスイッチを入れるとゆっくりと照らしていき、数秒後あたりから最大の光を放ちます。オンオフの繰り返しに弱く、一度蛍光灯のスイッチを入れたら、できるだけ長時間点灯し続ける場所での使用に向いています。
例えば、リビングやダイニングなどは、広い範囲を照らし続けるため、LED電球よりも向いていると言えます。
目を痛めやすいLED電球の使用場所は限定したい
LED電球の良さを上記に書いておきながら、管理人の家庭では、家全体の照明器具は蛍光灯が中心で、トイレなど短時間だけ使用する部屋はLED電球を採用しています。蛍光灯が中心ということで、家全体の照明にLED電球を採用した家よりも電球を買い換えるサイクルが早く、地球に優しいとは言い切れないかもしれません。
LED電球は光線がすごく強いです。以前、管理人が使用していたLED照明は、LED電球から発せられた光が壁や机などに反射し、目に入ってきていたらしく、2〜3時間で目の疲れ、痛み、頭痛などが起こったため、使用をやめました。LED電球を使用する場合は、シェードなどを利用して、光を上手に乱反射させる技術が必要だと痛感しました。
また、スマートフォンやタブレット端末を使用する時間が増え続け、目に負担がかかり続けている中で、LED電球で更に目の負担を増やしたくないというところも本音です。
LED電球の良さももちろんありますが、蛍光灯の良さもあり、一長一短です。無理にLED電球を採用しなくても、LED電球も蛍光灯も上手に付き合っていくのが良いように思っています。