二世帯住宅を建てる時に1階が親世帯、2階が子ども世帯になると思います。生活をする上で親世帯も子ども世帯に気を遣うと思いますが、子ども世帯も親世帯に迷惑をかけないように気を遣うと思います。
しかし、迷惑をかけないように子どもの遊びに制限をかけたり、生活が窮屈になっては元も子もありません。できる限り普通の生活をおくることができるように、家本体の方でできる限り対策を行いたいです。
今回は床について考えてみたい。
遮音マットで2階の足音が1階へ伝わることを弱める
木造住宅の場合、構造材である梁の上に構造用合板を張り、その上にフローリングを張ることが一般的です。この場合、2階で子どもが走り回ればフローリングや構造用合板に響き、1階へ「ドンドンドンドン」と音が伝わります。
子どもが走り回るような低音を1階へ伝える量を減らすためには、構造用合板とフローリングの間にゴム製の遮音マットを敷きます。遮音マットには数ミリ厚のものもあれば、20mm厚とかなり厚みのあるものもあり、効果に差があります。決して低価格なものではないため、1階の親世帯の寝室の上階のみ使用するなど、方法を考えましょう。
遮音マットほど効果はありませんが、構造用合板とフローリングの間にプラスターボードを施工することで、小さいながらも遮音効果を得ることができますし、フローリングではなくクッションフロアに変えることで、多少の効果を期待できます。
グラスウールで1階のテレビ音を2階に届くことを抑える
今度は逆に1階の音を2階へ伝えないことも大切です。親世帯と子世帯の生活リズムが違うことから、休日に早朝から1階のテレビ音が2階の寝室に響き渡り、ゆっくりと眠ることができないという問題もあります。
この場合には1階リビングの天井裏部分に断熱材であるグラスウールを施工しておく方法があります。グラスウールには断熱材としての効果とは別に吸音材としての役割も果たしてくれます。1階から発生する声やテレビ音などを中心に吸音します。
「ドンドンドンドン」と振動するような低重音はゴムが遮音し、声のような中高音は空気層を含む軽いグラスウールが吸音します。それぞれの強いところを上手に組み合わせながら採用し、少ない予算で最大の効果を発揮できるようにしたいところです。