サッシにシャッターを取り付ける必要があるのか?

新しく家を建てる時にリビングには大きな掃き出し窓を計画することが多いと思います。リビングからウッドデッキに続く開放的な空間は憧れますし、その先にある芝の上を子どもが走り回る映像が頭に浮かびます。

大きな掃き出し窓を計画すると防犯やプライバシーの観点から、雨戸やシャッターを取り付けるケースがあります。

雨戸は日本で昔から使われているものですが、開口部の横に雨戸を閉まっておく場所が必要になり、その部分は間取りの上で壁が必要になります。その反面、シャッターは上部に巻き上がる事から収納スペースが小さくなり、間取りの制約が少なくなります。

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今回はシャッターにピックアップをして、シャッターの良い点、悪い点をチェックしていきたいと思います。

シャッターの利便性と制約

シャッターは雨戸に比べて横方向に雨戸収納スペース(戸袋)が必要ないことから、収納スペースが小さくなりますが、高さ方向で制約が出る可能性があります。

大きな掃き出しサッシの高さを標準で2m、低めで1.8m、高めで2.2mぐらいが一般的であると思います。シャッターはサッシ上部に付いていることから、1.8mのサッシであれば手が届くと思いますが、2mの場合は背の低い女性は届かない場合があり、2.2mでは男性であっても届かないことがあります。

シャッターに手が届かない場合には標準で付けられているヒモを利用して閉めますが、決して閉めやすくはありません。シャッターの開け閉めがめんどくさくなれば、開け閉めをする回数が減り、シャッターを取り付けた意味が弱くなってしまいます。

おおよそ手の届く1.8mのサッシを採用した場合、掃き出し窓ならではの開放感や室内に入ってくる太陽光が減ってしまいます。

実際に家で生活をする人の身長がどの程度なのかに合わせて、一度話し合った方がよいかと思います。

注意
シャッターの途中止めは防犯上危険
掃き出しサッシのシャッターが手の届く高さでそのままになっている住宅を見かけますが、その住宅には日中は女性しかいない、多少ズボラな性格の人が住んでいるなど、犯罪者から見れば空き巣に入りやすい住宅と言えます。

シャッターはあると安心だけれど、無くてもいいかも

大きな掃き出し窓にシャッターを取り付けた方がよいと考えられるのは、お隣や正面に住宅がなく田畑などのケースです。遮るものが無く建物に直接風が当たるような場所では、風が強い台風時などは木の枝やどこかの家から飛んできたものが、窓に当たる可能性があります。

逆に住宅地の中では住宅地全体に風が当たることから、物がすごい勢いで飛んでくる可能性は低くなります。大きな掃き出し窓の近くに樹木を植えるなどすることで、さらに風当たりを弱くすることができおすすめです。

シャッターに断熱性能を求めてもよいですが、関東より南の地域であればペアガラスや樹脂サッシで十分な断熱性能を得られますし、防犯のためにシャッターを取り付けられるケースもありますが、日中にシャッターが閉まった家があれば「留守です」と看板を掲げているようなものです。

シャッターはあると安心ですが、生活をイメージした上で「あまり使用しないな」と思われれば、取り付けない選択も十分にあります。

シャッターで防犯するよりも室内の明かりをおすそ分けをして防犯する

家の光を外にこぼすことで暗い夜道を少しだけ明るくなります。危険な夜道を街灯だけに頼るのではなく、近隣の方々と共に地域の防犯を行うこともできます。

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住宅の犯罪で金銭的にも精神的にも追い詰めるのが泥棒です。

平成19年度の住宅侵入認知件数の全国1位は愛知県で8,900件です。世帯数で割った何軒に1件の割合で侵入窃盗が発生したかの1位は栃木県で286軒に1件の割合で泥棒に入られています。

防犯対策グッズとして、玄関錠(シリンダーキー)や防犯ガラス、音の出る砂利、視線を遮らない塀などがありますが、お金がかかります。死角を無くすことで防犯性能を高める場合にも、生活する家の庭が殺風景になり、防犯のために生活を犠牲にすることになります。

近年プライバシーが多く騒がれるようになりました。カーテンも遮光性の高いものが多く出回るようになり、室内の様子が覗かれることは少なくなっています。その反面、道路には室内の光が漏れず街灯に頼っているため暗いのが現状です。

街灯も少なく真っ暗な人気のない道を歩いて帰るのは怖いものです。女性の方はもちろんのこと、男性の方でもよほど体力に自信のある方以外は怖いと感じています。

家の中で見られても問題の少ない廊下や階段の窓から非遮光性のものに変えていき、屋外にやさしい光を漏らすことがポイントです。漏れた光が暗い夜道を照らすだけではなく、カーテンの近くを人が通ることで人影ができることにより、人の雰囲気で防犯にもつながります。

ガーデン灯で明るくするのも◎

家を建てる際に、門灯や樹木をきれいに見せる照明、玄関までのアプローチ用照明などをオススメします。家の庭が明るくなり、家に帰ってくるご主人や子どもも安全に帰宅することができます。その反面、侵入者に対しては嫌な光になります。

近隣の家の方と共に夜照明を点灯することで、夜道が明るくなり近隣の防犯にもつなげることができる重要なポイントです。家への来訪者を迎える照明は家の室内や主人がどのような方なのか楽しく想像させます。また、家自体もきれいに見せる効果を持っていますので、つける効果は高いです。

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