郊外の住宅地のように1つの敷地が60坪、70坪など広い場所では駐車場を気にしなくても家も庭も駐車場もつくることができますが、都心や地方都市の中心部にあるような狭い土地では駐車場を計画することはとても大切なことになります。
家と駐車場は切っても切り離せない関係にあり、「家の余ったスペースに駐車場をつくろう」という考え方では必要な駐車スペースが確保できないことも一般的です。
リビングやダイニング、寝室など間取りを決めるように、駐車場に駐める車は何台なのか、車の大きさはどの程度なのかなどを決めた上で、家づくりをスタートする必要があります。
意外に大きなスペースが必要な駐車場
1台の車を駐車するためには幅2.5m×長さ5.0mが基準となります。通常の5ナンバーミニバンであれば問題なく駐車できるサイズであり、基本的に駐車場を併設する量販店や飲食店などは、このサイズを元にして駐車場を計画します。
ただ、このスペースが確保できていれば何でもよいわけでもありません。
仮に車幅1.85m、車長4.6mの車があるとします。幅2.5mの駐車場に車幅1.85mの車を駐車すると残り0.65m(65cm)しかありません。両側が壁である場合は駐車することはできても、人が乗り降りするには難しくなります。全長も同じで、長さ6.0mの駐車場に車長4.6mの車を駐車すると残り0.4m(40cm)しかありません。人が車の後ろに回り込んでトランクを開け、物を出し入れすることはできないでしょう。
両側や後ろが壁の場合は、車幅+0.9m(90cm)、車長+0.75m(75cm)はほしいところです。横に2台、3台と複数台駐車できるような場所では、1台あたりの駐車場の幅は+0.9m(90cm)も必要なく、もっと短くても余裕で駐車できます。隣に駐車している車の余白を使うことができるからです。
自分にベストな駐車場を知る
車の運転能力には個人差があり、狭い駐車場でも難なく駐車できる人もいれば、車を壁にぶつけてしまう人もいます。自分はどの程度の駐車スペースがあれば車を無理なく駐められるのか知っておくとよいです。
よく行くスーパーやコンビニなどの駐車場を測ってみましょう。駐めやすいと思う駐車場は1台あたりどの程度大きさなのか、狭いと思う駐車場は1台あたりどの程度なのか、数字で知っておくと家づくりに反映しやすいです。
また、道路に対して縦に車を駐車するのがよいのか、縦列駐車のように道路に対して横(平行)に車を駐車するのがよいのかも決めておきます。
家づくりを計画している土地の前面道路幅、現在乗っている車の大きさや小回り性能、将来乗りたいと思っている車の大きさや小回り性能も合わせて紙に書き出しておくと忘れにくいです。一緒に住む予定の方と一度話し合っておきましょう。