新しく家を建てよう!と動き始めたときに、自分の親や親戚、友人など「○○は必ずしなさい!」や「今使っててこれは不便だからやめたほうがいいよ」、「これは絶対入れた方がいいって!」など、アドバイスを受けます。自分自身も「そうだよね」と同調できるものから、「えっ?ほんとに?」というものまであり、実際にアドバイスを聞き入れると、資金的に他を諦める必要がでてきたり、敷地の大きさから採用が難しかったりすることもしばしばです。
自分自身の親から言われるアドバイスで多い事の1つに「床の間と仏壇の置き場所」があります。特に仏壇の置き場所は「あなたは家を継ぐから仏間は作りなさい!」と言われます。
悩む人が多い!床の間と仏間を計画するのか!?
まずは床の間から考えます。床の間が生まれたのは文化が動き始めた16世紀あたりであり、誕生してから500年程度の歴史の浅いものになります。考え方としては、床の間は家の中で一番位の高い場所となり、床の間の前に座る(上座)=一番くらいの高い人=家の主人という流れになります。
現在の床の間は約1畳ほどで計画される事が多く、位や地位を考える人には重要なものといえるかもしれません。
仏間は名前の通り仏壇の置き場所になります。仏間の大きさは持っている仏壇の大きさにより計画するスペースが異なります。大きな仏壇をお持ちの方は1畳分の大きさ、小さめな仏壇をお持ちの方は1畳の半分の大きさが必要になります。
床の間や仏間を考える際に悩むポイントが和室です。自分の親世代からは仏間をつくる場合は和室をつくりなさいと言われ、和室は小さくても4.5畳、普通で6畳は必要になります。加えて床の間や仏間のスペースが加わることから、敷地の小さい家では間取りを圧迫します。さらに、玄関や廊下から直接行けるように計画する必要があれば尚更です。
自分自身にとって、まだあまり必要ではないと思っている床の間や仏間、和室に対して、間取りの制約を受けたり、リビングを圧迫されたり、金銭的に他を諦める必要がでてきたりと、そのことに対して納得がいかない部分と、親からのアドバイスで受け入れたい部分とのせめぎ合いが続くことが多いです。
最終的には気持ちでいい
家に大きな和室があり、床の間や仏間がある姿を見ると、「この人は日本人だ」や「しっかりした人だ」と世間的には思うかもしれません。ただ、誰もが立派な場所を設けなければならない理由はないどこにもないのも現実です。
家を訪問してくる人に対してフランクにリビングでワイワイ楽しむ人にとって、床の間の考え方と合わないかもしれません。また、楽しいことが大好きだった先祖が入っている仏壇が、普段誰も入る事がない和室に置かれている状態もなんだか違うような気がします。
よく、お上人さん(宗派により呼び方は異なります。)お経を読んでいただく際にちゃんとした和室がないと恥ずかしいとも聞きますが、3畳の和室でもリビングに仏壇が置かれていても問題ありません。
最終的には気持ちの持ち方であり、しなければならないという決まりはありません。
その上、今後「やっぱり和室に置いておきたい」と思えば和室にリフォームをすればよいですし、金銭的に難しければ簡易的な置き畳を準備してもよいです。仏間を作らなかった事に後から後悔するかもしれませんが、今から仏間を作って将来的にも使用しなかったなど、ずっと後悔しても勿体ないです。
今の気持ちを大切にしてもよいように思います。