あえて縁側のある家を選ぶ

おじいちゃんやおばあちゃんの家へ行くとあったと縁側があったなと記憶しています。家は瓦葺きの平屋建てで昔ながらの雰囲気がありました。今新しく建てられる住宅では、そのほとんどに縁側が採用されず、おじいちゃんやおばあちゃんが新しく家を建て直すケースであっても縁側を設けない家が増えています。

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決められた用途のない縁側という空間

縁側という場所を体験したことがある人は確実に減ってきているように思います。歴史的な建物を見学した時に縁側があったという場合、ドラマの告白シーンで見たという場合、夏になると蚊取り線香のコマーシャルで縁側を見たという場合、その他ではアニメのサザエさんでは度々縁側のシーンを見たという場合などがあると思います。

縁側という場所を説明することは非常に難しいのが現実です。一見すると何にも使えない無駄に見える場所ですが、実際には洗濯物を干したり、子どもが遊んだり、勉強したりと、用途が決まっていない場所だからこそ、ちょっとした時に便利に使用できる場所です。

また、庭と室内をつなぐ中間的な役割をしてくれる縁側は、サッシを閉めていれば室内にいながら外を感じる事ができたり、サッシを開けていれば外のような場所にいながら室内を感じる事ができる場所になります。曖昧な空間が人の生活にゆとりを与えてくれます。

環境的にもリビングや和室に直射日光を入る事を防いだり、断熱の役割や防音の役割をも果たします。

現在の多くの家では、リビングはくつろぐ場所、ダイニングは食事をする場所など、用途が決められていることがほとんどであり、それ以外の場所は無駄なスペースとして削られがちです。打ち合わせの中でもハウスメーカーの営業マンが上手に説明できないなどの問題もあるような気がしています。

縁側は必ずしも無ければならない空間ではありませんが、縁側があることで気持ちの余裕をつくることができるのではないのか?と思います。

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