建て前当日、天気は朝から曇りで午後は雨の予報。そんな上棟するときに雨が降ってきたらどうしよう。誰もが思う悩みです。
上棟時の雨。中止の判断は現場監督が行う
住宅の場合、多くが1月から4月頃に打ち合わせを行い、5月頃から工事を始め、6月頃に上棟、秋頃には完成し、年内には入居して片付けが終わる。そんなスケジュールを組まれる方が多く見えます。このスケジュール通りに行くと、ちょうど雨季のタイミングで上棟をすることになります。
心配になるのは「上棟当日に雨が降っても大丈夫なのか?」という問題です。 雨が降ることで住宅にとって重要な柱は梁などの構造材が濡れてもよいのかということになります。
基本的には構造材は雨が降って濡れてしまっても大丈夫です。
木造住宅の柱や梁などの構造材は杉や桧、米松など油分が多く水に強い材質をしていますので、数日天候が良ければ乾いてきます。また、上棟後であっても屋根や壁ができあがるまでは雨に当たってしまう構造材もでてきます。
しかし、雨の度合いによっては中止する場合があります。
建て前に支障を来すほど雨が強すぎて工事ができない場合や、2階の床に構造用合板などを用いる場合は構造用合板が水に弱いため工事ができません。このような時も中止になる可能性があります。
また、今日は雨で明日以降の天気予報が晴れていれば今日は中止にしましょうという判断もあります。
どのような状況であれ、上棟の進退の判断を行うのは現場監督です。今までの経験や状況から総合的に判断を下します。もし、雨で気になるようであれば現場監督に一言聞いてみましょう。
朽ちた構造用合板は弱く、地震に耐えられる状態ではなく人の手で触るだけでボロボロと崩れていきます。
上棟前にも見ておきたいポイントはある
工事を行うハウスメーカーや工務店などによって違いますが、概ね建て前を行う前日に基礎の上に土台の施工を行うところが多いです。
この土台の施工時や施工後に雨が降る天気予報が出ているとビニルシートなどで雨が当たらないようにカバーをする時があります。
これは基礎(ベタ基礎、布基礎共に)の中に水が溜まってしまうことを防ぎますし、強い雨の場合は土に落ちた雨の跳ね返りが土台に着くことを防いでもいます。
上棟に必要な構造材は建て前当日に現場にもってくる場合もありますが、前日に持ってきておく場合もあります。
このような時は構造材の上にビニルシートなどをかけて雨を防ぐと共に泥の跳ね返りも防ぎます。この時に構造材が保管されている場所が水たまりなどになっており、構造材が泥水に浸かってしまっているような場合は交換が必要です。
泥水の中にいる菌が構造材を腐らせてしまう恐れがあるからです。もし現場監督が気がついていないようであれば話をしましょう。