2階のバルコニーへの段差をなくすには無理がある

郊外の住宅地に建てられている住宅を見ていると、ほとんどの家にバルコニーが設置されていることがわかります。バルコニーの主な使われ方は布団を干すことで、1週間のうち1、2回使用される家が多いと思いますが、一番多い要望は部屋からバルコニーへ行く窓の段差を無くしてほしいというものです。

veranda

部屋からバルコニーへと続く窓は掃き出し窓ではなく、通常20cmほどの段差があります。この段差は無意味にあるのではなく、家を守るためにある段差です。

布団を干すためのバルコニーへの要求

郊外の住宅地でバルコニー要求はかなり多いです。1つ目は上記の通り、部屋からバルコニーへ行くためにある段差を無くしてほしいこと、他にもバルコニーに置いておくスリッパが雨で濡れないことに加えて、手すりや壁が濡れないことも上げられます。

バルコニーへの段差について、重たい布団を持ったままバルコニーへ出ることから、足下が見えず躓く危険性、布団を持ったまま段差を越える大変さなどがあります。その見えない状態でスリッパを履いた瞬間に「冷たい!」という状態は避けたいという点、布団を干したときに手すりや外壁の水滴を布団に付けたくないという点もあります。

自然から家を守るための形

バルコニーは複雑な形状から、台風などにより雨水が壁内部へ進入する可能性が高い場所であり、構造的にも複雑になる上にバランスを崩すきっかけになっています。

建物全体の構造、防水の点から部屋とバルコニーとをフラットにすることは難しく、フラットを採用して建物内部に雨が入ってしまえば、柱や土台が腐ってしまったり、断熱材の効果が著しく低下してしまったりと、大きなリスクが生じます。

部屋とバルコニーをフラットにする場合は、建物とバルコニーを完全に切り離す方法があります。しかし、この方法はバルコニーを屋外と同様の扱いをするものであり、スリッパや手すりは雨で濡れてしまいますし、バルコニーの下も雨が落ちてくることから濡れます。

片方を採用すれば片方を失う状態です。

生活スタイルを変える方法もある

地方の田舎では庭が広く、庭に布団を干すことが一般的でした。しかし、世代が変わり、狭い土地に家を建てることが決定づけられる中で2階建てを採用せざるを得なくなり、生活スタイルだけ昔の考え方が残ってしまっています。

どこかで布団を太陽光に当てたい!という思いがあります。しかし、住まい方が変わってしまった以上、生活スタイルも変えていく方が自然であり、以前の生活スタイルだけを強引に残すことも不思議な話です。

段差を越えて無理にバルコニーに布団を干すのではなく、風通しの良い室内に布団を干してもよいですし、寝室を1階にする方法もあります。もしくは、一戸建て住宅をやめてマンションに住むという選択肢もあります。

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