洗濯機パンは洗濯機の下にあるホワイト色の防水パンです。水で床が汚れることなどを防止してくれますが、近年ではハウスメーカーでもオプション扱いをしているところが多いようです。
洗濯機パンは万が一の対策品
日本に全自動洗濯機が誕生する前まで時代をさかのぼってみましょう。まだ二層式洗濯機が全盛期であった時代であり、洗濯機は室内ではなく屋外に置くものという考えが一般的であった時代です。
冬場の寒い屋外で洗濯をするのは体がキツイ上に屋外に置いておくと洗濯機が壊れやすく、水道の蛇口が凍って水が出ない問題もありました。その中で住宅事情が変化し、洗濯機を屋内に置くという流れが世間に広がります。
二層式洗濯機は洗濯槽と脱水槽が別々であることから、洗濯物を移す際に水が下に落ちて床が汚れていきます。そのようなことを防ぐためにも洗濯機パンが重宝されました。
しかし、時代は流れて全自動洗濯機が主流になりドラム式洗濯機も一般的になりました。ボタン一つで洗濯、脱水、乾燥まで行える洗濯機から水がこぼれ落ちる心配が無くなり、洗濯機パンの必要性は無くなりました。
現在市販されている洗濯機パンは、防水パンと排水トラップのセットで定価15,000円ほどで販売されています。
防水パンは下に水を落としても床を汚さないことや、排水溝から水が溢れても防水パンの中に水が溜まるだけで床を汚さない役割があります。
排水トラップは洗濯機が排水した水を流すための口であり、排水溝から嫌な匂いが上がってくることを防いだり、虫などが室内に入ってこないようにするための構造になっています。
洗濯機パンに役割はあるのですが、洗濯機の大きさや形状がどんどん変化する中で、洗濯機パンがあるが故にほしい洗濯機が入らないなどの問題も起きており、洗濯機パンはマイナスの問題も引き起こしています。
洗濯機パンが無い方が使いやすい現実
最近は新築住宅を建てられる方の中で洗濯機パンを付ける方、付けない方がみえます。
洗濯機パンがあることのメリットは上記に上げた通りですが、日々の生活の中のデメリットもあります。
・洗濯機パンがあることで掃除機がかけられない
・排水トラップの掃除をしなくてはいけない
・既存の洗濯機パンのサイズとほしい洗濯機のサイズが一致しない
などがあげられます。
洗濯機の後ろなどは洗濯機パンがあると掃除が行いにくいですし、排水トラップの掃除についても手が入らないところにある場合もあるため、ホコリ対策が不可欠です。
洗濯機パンを採用しなくても、洗濯機の水を排水する排水口をしっかりとつくることで、水漏れや排水溝からの匂いや虫の進入を防ぐことができると思います。現場監督さんにしっかりとお願いをしておきましょう。