柱や梁は杉や桧が当たり前ではない時代

木造住宅でも柱や梁に使用する構造材の樹種は多種多様です。樹種の特長によって使用する位置が違うほかに、建物自体の金額を下げる目的もあります。では、どのような特徴があるのでしょうか?

contents19_contents_top

柱や梁は杉や桧が当たり前ではない時代

日本は戦時中において山の木を大量に使い戦争を行いました。戦後は復興の名の下に成長が早く加工がしやすい杉を多く植樹しました。そのことから国民病とも言える花粉症の原因の1つを生んでいます。

日本の山に多く生えている樹種として上記の杉意外に桧もあります。木造住宅において強い力に耐えられるこれらの材料は最適であり多くの住宅に使用されてきました。

例えば、
土台は桧、ヒバなどを使用します。耐水性に優れており、床下からの湿気などに強いです。また、シロアリに対して食べられにくいとも言われています。
柱は杉や桧などを使用します。構造的に耐力が強いことからですね。梁は杉や赤松などを使用します。上からかけられる力だけではなく、横からかけられる力に強いことが採用されるポイントです。

樹種の特性を活かして適材適所に必要な木を使用することが日本の気候に合った強い家をつくり、メンテナンス性においてもメンテナンスしやすい家をつくると言えます。

しかし、最近は使用料の減少が目立っています。

外来材の使用量が増え続ける

原因の1つは外来材の使用です。一般的にはカナダやアメリカ地方、東南アジア地方、隣国である中国などが多いです。

多くの材料があるため単価が低い場合や人件費が安いために輸入しても日本の材料より安く入荷できることがポイントになります。

アメリカ大陸より輸入される米杉、米松などを使用することも多いです。これらの樹種はカナダなどの寒い地方で育つことが多く、年輪が密に詰まっているため構造的にも強い力に耐えることができます。

近年はより安価な材料を求めて東南アジアからパインなどを柱などに使用するケースも出てきました。暖かい地方で育った樹木は1年に大きく成長するため年輪の幅が広く構造的に強い力に耐えられないケースが多いです。
しかし、成長も早く人件費も安いため使用するハウスメーカーや工務店も増え続けています。

日本の建築基準法では地震に耐えうるための金物の工法は定めていても樹種までは定めていません。
一度気になる方はハウスメーカーや工務店にご確認ください。

集成材を使用するのは一長一短

柱や梁に集成材をしようするケースも増えてきました。集成材とは文字の通り「集まって成す材料」であり、細くカットされた材料を接着剤で貼り付け1つの材料としています。

カットした材を接着するという手間がかかるため、通常の木(無垢材)に比べ、安くなる場合と高くなる場合があり、金額的にはあまり変わりません。

contents19_image01

集成材の良い点としては、
接着剤で貼り合わせているため、どれだけでも長い材料や大きい材料を作ることができ、変形した家や大きく吹き抜けた家など、あらゆる形に対応した材料を作ることができることです。
また、ハウスメーカーや工務店の視点からは、木造住宅の場合は新築後1~2年くらいは樹木が収縮によって動きます。それにより珪藻土仕上げの壁が割れるといった問題が起こる場合があります。集成材は収縮する量が極めて小さいため問題が起きにくい材料と言えます。

集成材の悪い点としては、 接着剤で貼り合わせているため、接着剤が気化しシックハウス症候群の原因が強まる可能性があるということです。 また、構造用として集成材が用いられはじめ30年程度です。50年や100年は代々住み続けたいと言った要望に対してまだ未知数なところもあります。接着剤を信用するぐらいなら無垢材を使用するという考えも一部であります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です