工務店が建てる家は誰が設計しているのか

「工務店」というと昔ながらの日本建築の印象が強く「大工さんがつくる家」というイメージを持たれている方も多いと思いますが、今はいろいろな形の工務店が存在します。思いつく工務店の形態を列記すると、

  • 棟梁である大工さんがつくる工務店
  • 家のデザインを売りとした工務店
  • 建築設計事務所と一緒に建てる工務店
  • ハウスメーカーの下請けを行う工務店
  • ハウスメーカーのフランチャイズを行う工務店
  • 地方に特化したハウスメーカー化した工務店

あたりが考えられます。それぞれ専業で行っている工務店もありますが、棟梁である大工さんが純和風建築を建てる仕事と建築設計事務所と一緒に家を建てる仕事の両方をしている工務店もありますし、ハウスメーカーに近い仕事をしながら、実際にハウスメーカーの下請けの仕事もしている工務店などもあります。

工務店というと家を建てる技術はあるものの、住宅のデザインや設計は誰がしてるの?という疑問も数多く聞きます。実際に大工の職人集団である宮大工が建てた家は重厚かつ品があり、見た瞬間におぉ!と思いますが、実際に田舎の工務店の多くが建てる家は、和風建築を劣化させたような、言い方は悪いですが時代遅れの家が多いように思います。

工務店のほとんどは社長が家の設計している現実

地方や田舎にある工務店の多くは社長が住宅の設計をしているケースが多いです。社長が家の設計をしている工務店では、社長、2、3人の現場監督、事務の女性の合わせて10人以下で仕事をしているところが多く、大工さんは社長のつながりのある個人経営の大工さんをその都度雇います。もう少し大きい工務店では、営業さんを雇用していたり大工さんを雇用しているところもあります。

社長は年齢が60代、70代など比較的高い工務店が多く、20代や30代から見ると何となく時代遅れの家になってしまうのはそのためです。社長は現場監督が足りなければ現場監督も行いますし、営業の仕事も行うため、時間が足りないのも現実で家の設計に時間がかけられません。

その結果、同じ間取りやデザインを使い回すことで何十年と変わらない家を設計し続けていることが多くなっています。

設計士を雇っている工務店もある

工務店の中にもデザインに強い工務店もあります。工務店の中に住宅の設計を専任で行う人が雇われていて、社長や営業の人ではなく、住宅の設計を専任で行う人がお客さんと細かい打ち合わせをしながら家づくりをしています。設計の専任者も若い女性であるケースも多く、時代の流れを反映した住宅を建てられるメリットがあります。

このような工務店では、社長もデザインに関心が高い人が多く、建築の本に目を通していたり、有名な建築家の講習会に参加するなど、日々勉強をしている人も多いです。

工務店が持つ技術力と流行のデザインを合わせ持つ家をつくることができる工務店もあります。

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