日本で数多くの家を建てるのがハウスメーカーです。ハウスメーカー最大手の積水ハウスは1年間で25,000戸程度建てますので、その凄さが分かると思います。
住宅展示場にて自社の住宅を建ててPRすることはもちろん、有名俳優を抜擢してテレビCMやラジオCMを流したり、新聞や雑誌での折り込みチラシ、テレビ番組内でのタイアップも頻繁に行っています。多くの人の目に触れる形の宣伝を行い、お客さんを獲得しています。
年間に数多くの家を建てるハウスメーカーですが、ハウスメーカーが建てる家は誰が設計しているのでしょうか?
家の設計は社内設計部と外部発注するケースがある
ハウスメーカーにもよりますが、ハウスメーカーが建てる家を設計するのは、社内で雇用している設計者が行うケースと外部の建築設計事務所に依頼をするケースの2つがあります。
営業さんがお客さんと打ち合わせをした内容を元に、設計部が間取りを考えて図面を描いていきます。設計をする人がお客さんと営業さんとの打ち合わせに参加するケースもありますが、ほとんどないと思います。
外部の建築設計事務所に依頼をするケースもあります。繁忙期でお客さんが多く会社内の仕事が溢れてしまっている時に、設計の仕事を建築設計事務所に依頼したり、難しい要望をするお客さんなどの家を外部に発注することもあります。
ハウスメーカーの住宅を設計する建築設計事務所の多くは、ハウスメーカー専属建築設計事務所とも言える状態であり、ほとんどハウスメーカーの設計しかしていません。ハウスメーカー内の上司のつながりや社員とのつながりのある設計事務所が多いです。名前のある有名設計事務所が建てるということはありません。
社内の設計部であっても、外部の建築設計事務所であっても、建築の仕事に携わる人が住宅の設計をしています。
ハウスメーカーの仕組み
ハウスメーカーは家をつくる会社ではなく家を売る会社です。社内で設計部を設けて住宅設計をする企業や研究施設を建設して耐震強度の実験を繰り返す会社もありますが、数少ないところも現状です。
ハウスメーカーは土地開発などが行われる場所に営業所をつくり、営業さんを雇用しお客さんを獲得します。お客さんの家の設計や必要な書類関連の作成は建築設計事務所や行政書士に依頼し、家をつくるのは下請けの工務店に依頼します。
ハウスメーカーは現場が図面通りにできているか確認するために、ハウスメーカーが雇用している現場監督を各現場に配置します。
ハウスメーカーとしては、お客さんに高額な家を数多く売り、建築設計事務所や工務店にいかに安く仕事をさせるかで利益を上げています。そのためにたくさんのCMを流し、各社オリジナル形状のサイディングで家に特別感を与えて売り出したりもします。
ハウスメーカーが家づくりにおいて一番デザイン力も優れていて技術力も高い訳ではないのが現実です。