夏になると思うことは「トイレが暑い」ということです。家全体を空調している家でない限りトイレに空調システムは付いていませんし、24時間換気扇のファンが回っていても、1畳から2畳程度の小さな個室の扉を閉めてしまうと数分で暑苦しい空気に変わってしまいます。
扉の種類に関係なく、開き戸であっても引戸であっても暑いです。
ひとり暮らしであれば、トイレの扉を開けて用を足すこともできますが、多くの家では廊下からトイレに出入りすることが多く、扉を開けてトイレを使用していると家族から見えてしまい、家族同士であってもトイレを使用している姿は見たくありません。
トイレの扉がない家を考えてみたいと思います。
死角を利用したトイレ
真っ直ぐな廊下の正面や廊下に面してトイレを計画すると、扉を閉めないとトイレの中の人が見えてしまいますが、廊下から死角になる場所であり、トイレに行く人しかトイレの入り口が見えないようにトイレの場所や廊下を計画することで、扉のないトイレはつくることができます。
大型スーパーなどのトイレの入り口がガタガタしていることと同じで、通路に死角をつくってトイレが直接言えないようにします。
人感センサー付き照明を採用することで、トイレの中に人がいるのかいないのかが判断できますし、トイレを使用する人にとってもストレスフリーになります。
洗面空間と一体化したトイレ
廊下や部屋などから完全に扉がないトイレは落ち着かないという方や、扉がないのはさすがに抵抗があるという方は、洗面台や洗濯機などがある水回り空間とトイレを一体化させてしまう方法もよいです。廊下や部屋から扉を1つ開けるというものです。
洗面所や洗濯機を使用する回数を考えても、家族同士がバッティングする回数は1日に数えるほどしかないと思います。
洗面所や洗濯機置き場などと一緒の空間にトイレが計画されるため、1室の大きさが3畳ぐらいとなり、部屋が広く、夏の暑さは軽減されます。海外の住宅に多く採用されているように、すぐ隣に浴室を計画し、脱衣室も兼ねてしまう方法もあります。
水回りをまとめることで、体を悪くして車イスや松葉杖などの使用が必要になったときに動きやすいです。また、年齢を重ねて高齢になった際も、1つの部屋にまとまっていた方がよいです。
扉がないトイレをつくるときは来客用のトイレもつくろう
扉がないトイレや水回りの中にトイレをつくるときは、これらのトイレを家族用トイレと割り切り、来客用のトイレをつくりましょう。家族だけであればよいですが、扉のないトイレに来客を案内したら、普通の方であればビックリすると思います。
ただ、扉のないトイレは地震時においても閉じ込められる心配も無く、トイレ内で体調が悪くなり倒れた際もすぐに助け出すことができるメリットもあります。一度、考えてみてはいかがでしょうか?