階段の位置は部屋のどこがいいのか

家の間取りを決める時にキーポイントとなる要素が階段です。玄関から入ってこの部屋はどこのあたりにあるといいなということはあると思います。

例えば、1階にある玄関を入って和室がすぐ近くにほしい、お客さんも入る事ができるトイレがほしい、キッチンも近い方が便利、土間収納も便利など、候補を上げていくとします。2階も同じように階段を上りきったところにトイレと収納があって、子ども室が2室、廊下の突き当たりに寝室がほしいと考えます。

1階と2階をつなぐ階段はどこに計画するのか・・・1階では玄関まわりに計画したい部屋がいっぱいあるので、家の真ん中の北側あたりかもしれません。2階では家の端っこにある間取りがイメージできるかも知れません。そもそも、玄関を入ってすぐに玄関があれば便利かもしれません。

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間取りを決める上で、リビングやキッチンに比べ階段は地味なイメージがありますが、家全体の間取りを決める上で、重要な場所でもあります。

階段の位置で暮らし方が変わる

大げさな言い方になりますが、階段の位置を変えるだけで、生活スタイルやライフスタイル、どのような人生を送りたいのか、どのような子どもに育ってほしいのか、変わってくるように思っています。

リビングに階段を計画して開放的にする

リビングに階段を計画すると、会社から帰ってきた夫婦や学校から帰ってきた子どもなど、家族全員がリビングを通らなければ2階にある子ども室や寝室へ向かうことができません。家族全員が顔を合わせやすい環境を作ることで、会話の多い家族になるかもしれません。

朝、2階から1階へ下りてくる時は、朝日がリビングや階段にあたり開放的で清々しい1日をスタートできる可能性もあります。

金銭的な面を考えると、リビングと2階の廊下部分がつながる頃で空調コストが上がりやすいです。大きな空間を温度変化の少ない状況にするためには、性能の高い断熱材をしっかりと入れる必要もあります。太陽光発電と共に家全体の室内温度を一定にする全館空調も考えた方がよいと思います。

玄関に階段があると家に広がりを与える

玄関部分に吹抜があり、その一部に階段があることで、広がりのある玄関が生まれるため、来訪者に「おおっ!」と思わせるゴージャスな雰囲気が作りやすいです。その反面、学校から帰ってきた子どもがリビングやダイニングを通らずに子ども室へ行けるため、子育てに良くないという意見も根強いです。

来訪者が玄関で長い時間滞在されると、家族が1階と2階をダラッとした格好で通れないデメリットもあります。

廊下に階段があると使い勝手はよい

廊下に階段があると、リビングやダイニング、和室など部屋別でエアコンなどの空調を効かせらます。階段の使い勝手としてメリットもデメリットも薄いため、無難に選びやすいとも言えます。階段の位置は北川に計画されることが多くなるため、薄暗い階段になるケースが多いです。

住宅のデザインに似合う階段のデザイン

家の細部にわたるデザインを気にされる方であれば、階段のデザインも気になると思います。階段のデザインで大きく違う点は、階段を上ったり下りたりする時に足で踏む部分である「踏み板」の横部分がどのような形をしているかです。これにより階段のイメージを大きく変えます。

ささら桁を出すデザインは和風住宅に合う

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ささら桁とは、上記の写真のように階段の壁際を斜めに取り付けている材で階段を支える構造材です。日本では昔からささら桁を使用して階段をつくることが多く、現在でもお城の見学などへ足を運ぶと、同じようにささら桁を使用していたことがわかります。

ささら桁は日本の建物に合ったデザインをしていますし、畳を中心とした和風な住宅を建てる場合にはささら桁を使用すると、建物のインテリアがグッと引き締まります。

日本の戦後に建てられた住宅でも階段と言えばささら桁をつけることが一般的でしたし、現在の日本人にとっても原風景のようなデザインです。

巾木を付けたデザインは洋風住宅に合う

外壁にはレンガ調やタイル調、内壁には白いビニルクロス、床はカバ材調のフローリングなどを採用した住宅では、ささら桁を使用した階段よりも巾木を使用した階段の方が雰囲気が合っています。

欧州ではレンガや石を中心とした文化であり、縦や横のラインに加えてアーチなどが一般的です。その雰囲気を模した家で、壁に入る斜めのラインは欧州には無い雰囲気を作り出し、家全体のインテリアの雰囲気のバランスを崩しかねません。

ささら桁を使用して階段をつくる場合においても、ささら桁を壁の中に隠し、巾木を取り付けましょう。

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