家づくりはハウスメーカー、パワービルダー、工務店、設計事務所の4つから選ぶ

家をつくろうと思ったときにどこの会社にお願いをしたらよいのか?選択肢を上げて1つ1つ丁寧に説明しています。それぞれの特長を確認してみましょう。

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家をどこの会社でつくるのか

生活をしていると子どもが大きくなり、賃貸アパートが手狭になるなかで「新しく家をつくりたい!」と思うのは当然のことです。しかし、どこに行けば家を建てる業者に出会えるのか、誰に連絡すればいいのか、など意外に戸惑うことも少なくありません。

まず目にするのは、テレビCMや新聞の折り込み広告と考えます。「理想的な住宅をイメージしたもの」、「坪単価○○万円や頭金0円、賃貸アパートの家賃で家が買えるといった安さを売りにしたもの」など多岐にわたります。しかし、各社広告はあくまでも営業のためであり情報を鵜呑みにせず、必要な情報を自分自身で整理していくことをオススメします。

ここではハウスメーカー、パワービルダー、工務店、設計事務所の4つに分けて、それぞれの特徴を明記していきます。

ハウスメーカー

日本で1年間に建てられる戸建て住宅の20%程度の家をハウスメーカーが建てています。大きな特徴は唯一大手企業が戸建て住宅にかかわっていることです。独自の技術をもつことで耐震技術を住宅に採用したり、デザイン性のある外壁を採用したり、大手企業のメリットを生かした住宅の販売をしています。

ハウスメーカーは住宅を建てる人を雇っているわけではありません。実際に建てるのは地元の工務店であり、建て主は営業マンとの打ち合わせですべての要望を伝えていきます。

営業マン自身も全員が建築のプロフェッショナルではなく、大学の文系を卒業した方などもみえるため、営業マンの要望の受け取り方、伝え方に力量の差があることが問題です。そのため、いい営業マンをつかまえる必要があります。

一般的にテレビCM、広告、モデルハウス、カタログ、営業マンなど、建て主にとってわかりやすい情報を伝えてくれる反面、割高な住宅になると言われています。

パワービルダー

聞き慣れない言葉ですが、ハウスメーカーより安く建てられることを売りにしている住宅会社のことです。最近知名度を上げているタマホームなどがこれにあたります。 基本的にはハウスメーカーと変わりませんが、安く、工期が短く、ハウスメーカーを目指したデザイン性のものを採用している例が多くあります。

薄利多売で経営を成り立たせているため独自技術を用いた家づくりはしていません。あくまでも同じ材料をいかに企業から安く多く購入し住宅に採用できるかというところに力を入れています。

1つの家について時間がかけられないため間取りの整合性がついていない住宅があったり、工期が短いため工事が雑になっていたりする例もあります。

工務店

日本全国に数千社もあり、各地域に密着した企業として家づくりをしています。大手メーカーのように広告にかける費用が少ないこと、中間マージンがないことなどから、割安な住宅になることが一般的です。

建て主と作る人が一対一のため、打ち合わせ内容と施工にズレが少なく安心でき、建てた後も連絡する先が決まっているため問題が起こったときに相談しやすいのがメリットです。会社の規模が小さいことが多いため倒産してしまう場合や倒産後のアフターサービスが期待できないなどの問題があります。

工務店には技術力やデザイン力の高い会社もありますが、問題のある施工をする会社まで差があります。目をつけた工務店がある場合は積極的に話を聞いたり、オープンハウスなどへ行き情報を集める必要があります。

設計事務所

建物の設計や設計した建物が設計図通りに工事されているか確認をする仕事を専門に行うのが設計事務所です。つくるのは工務店などになります。

一般的には知名度がなく会社の規模も極めて小さいため、会社を探すことが難しいです。近年ではインターネットで各会社の設計した住宅がみられるようになっていることが多いです。

ハウスメーカーや工務店などの住宅に満足しない方が、よりよいデザイン、お金のかけるところにこだわりたい、狭小住宅のため他で断られた方、すごく安い家・すごく高い家など、一般的なニーズ意外にも相談できるのがメリットになります。

工務店同様に技術力やデザイン力に差があるため、以前設計された家に訪問をお願いしたり、オープンハウスなどへ行き情報を集める必要があります。設計事務所によっては、デザインに力を入れすぎるところもあり、設計者自身の人柄やデザイン感覚が建て主と合うかどうかも見極める必要があります。

住宅業界の不況と信頼関係

家を建てるときはデザインだけが重要なポイントではありません。不景気で住宅業界が低迷する中で「今後も家のメンテナンスをしてもらえるように・・・」相手との信頼関係を築くことが必要です。

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住宅業界の流れと不況

住宅業界は長い間、日本の経済が上昇すると同様に右肩上がりの成長を続けてきました。しかし2008年のアメリカで起きたリーマンショック以降状況が変わり不況へと流れが変わりました。

住宅業界の景気を表す指標として用いられるのが「新設住宅着工数」です。リフォームが含まれない理由として金額の大小の差が大きく、10万円程度の小さなリフォームと3000万円の新築を同じ1つとして計算することで会社が得る利益に差がある上、500万円以下のリフォームは申請義務がないため、わからないということが現状です。

新設住宅着工数の推移は、

平成11年:1,226,207戸
平成12年:1,213,157戸
平成13年:1,173,170戸
平成14年:1,145,553戸
平成15年:1,173,469戸
平成16年:1,193,038戸
平成17年:1,249,366戸
平成18年:1,285,246戸
平成19年:1,035,598戸
平成20年:1,039,180戸
平成21年:788,410戸
平成22年:813,126戸
平成23年:834,117戸
※上記は国土交通省の公表に基づく

日本のバブル経済がはじけた時においても100万戸を下回ることがなかった新設住宅着工数ですが、リーマンショック以降は住宅エコポイント等の補助金があったにもかかわらず平均80万戸程度で推移しています。

今後、日本の景気が劇的に向上する可能性は少ないことや高齢化による社会不安などから、新設住宅着工数も80万戸またはさらに低下していくことが考えられています。

パートナーと信頼関係を築くことの重要性

新設住宅着工数の低下に伴い、問題に上がった1つが中堅ハウスメーカーの何件かが破産に追い込まれました。さらには破産したメーカーの仕事をどこの会社も引き受けなかったことから倒産し、最終的には多くの建て主さんがお金は支払ったものの家が建たず、住宅ローンだけが残るといった被害が出ました。

今後もハウスメーカーや工務店、設計事務所などが倒産していくケースが出てくると考えられます。倒産の二次被害としては、倒産したメーカーで建てた家のうち、法的に認められたもの以外の保証が消えてしまうことにあります。

さらには外見は同じように見えても、各ハウスメーカーによって独自の工法を使用して建てているケースもあり、その場合他社にリフォーム等をお願いしても嫌がられることがあります。

理由は倒産したハウスメーカーの工法によって欠陥が合った場合においても、リフォームを行えば自分の会社がその損害を受けなければなりません。確証のないリスクをできる限り負いたくないというのが現状です。

もしリフォームを行いたいということであれば、設計事務所等が第3者として間に入り、リスク等を施工者とお客さん双方にキチンとした説明をし、両者合意の上で工事を進めることが求められます。

できる限り同じ会社と関係を築いていくことがメンテナンス等を含め家を長持ちさせる最善の方法であり、最初の会社選びは重要な判断になります。

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