エアコン取付工事で筋交切断!?先行配管の重要性

夏や冬など大きく気候が変動する時にエアコンを新設したり取り替えたりする時に、新しく壁に穴を空けて取り付けると家の寿命が短くなってしまう可能性が出てきます。

住宅の壁の中には、筋交や断熱材、電気配線など、人が快適に暮らせる家となるような要素がたくさん詰まっています。特に地震から家を守る筋交が壁の中に施工されている家には注意が必要です。

筋交とは・・・

家を地震の横揺れや縦揺れから守るように柱と柱の間に斜めに取り付けられた材で、住宅の大きさや形状に対して法律で一定以上の取り付け数や位置などが定められている。筋交ではなく、構造用合板などを取り付けることも可能。

エアコンのダクトを施工するときに、設備業者さんが筋交を切断してしまう事例が数多く発生しました。設備業者さんは空調や電気のプロであり、建築のプロではありません。建築の知識がなく、悪気無く切断してしまう方もみえますが、筋交が一カ所切断されれば、それだけ住宅の耐震性能は落ちてしまいます。

家を新築する時にエアコンの位置を決めておく

家づくりをしている時にエアコンを取り付ける場所を決めることが大切です。部屋の間取りやキッチンやトイレの仕様を決めると同時に、可能であれば200V電源を使うような大きなエアコンを設置するのか、通常の100V電源で済むようなエアコンを設置するのかも決めておきましょう。

良心的なハウスメーカーや工務店、設計事務所などであれば、事前に確認をしてくれますし提案もしてくれます。ただ、少しでも安価に抑えたい会社に家づくりを依頼してしまうと、打ち合わせ回数や工事期間を減らすために、最低限の工事内容で抑えようとする会社もあります。

将来的にエアコンを取り付けると考えられる部屋には、家を建てる時にエアコン用の電気配線と同時に、壁に穴を空けてエアコンスリーブ(クーラースリーブ)を先に取り付けてもらうようにしましょう。数年後にエアコンを取り付ける時には、エアコンスリーブ(壁に空いた穴)を利用してエアコンのダクトを通してもらい室外機を取り付けるようにします。

これだけで家を地震から守る筋交を傷つけずに済みます。

また、筋交を避けてエアコンのダクトを通したとしても、壁の中に施工されているグラスウールなどの断熱材に穴を空けてしまうことになります。この行為が場合によっては、内部結露の原因をつくり断熱性能の低下を招いてしまう恐れもあり、注意が必要です。

筋交を切断してしまったら・・・

設備業者さんが筋交を切断してしまった場合、室内側から補修が可能であれば、ビニルクロスを剥がして内壁と断熱材を取り外し、新しい筋交を取り付け直す必要があります。室内からではなく屋外からのみしか補修ができない場所であれば、家の外周部に足場を組み、一部外壁を取り外し、シートやボード類なども取り外した後に、新しく筋交を取り付け直します。

料金は設備業者さんが支払うことになると思いますが、大工事になります。

そのようなことにならないように、エアコン用のダクトを新しく壁に開けるときは、設計図を持ち出し、どこの壁に筋交が通っているのか確認し、設備業者に伝えることが大切です。

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