冷暖房に効果抜群!?Low-Eガラス採用した?

数年前に単板ガラスからペアガラスのアルミサッシを採用する住宅が増えましたが、現在ではLow-Eガラスを採用する住宅も増えてきました。

住宅の中でアルミサッシは一番断熱性能が低いと実証されています。エアコンで室内をどれだけ「涼しく・暖かく」しても、穴の間バケツに水を注いでいることと同じように、アルミサッシ部分から「涼しい空気・暖かい空気」が逃げてしまいます。

高気密高断熱住宅が普通になっている現在、アルミサッシに採用されるガラスについてチェックしておきたいところです。

ペアガラスとLow-Eガラスの違い

アルミサッシを決める時に「ペアガラス」や「Low-Eガラス」という言葉を見る機会が多いと思いますが、「ペアガラス」がガラスの構造、「Low-Eガラス」はガラスの種類を表していて別物です。

ペアガラスは通常のガラスが2枚で1組になったもののことを表しています。昔の住宅ではガラスが2枚ではなく1枚のアルミサッシが使用され、最近でも建設コストを重視するアパートなどは1枚ガラスのアルミサッシが採用されるケースも多いです。

Low-Eガラスとは、一般的な透明なガラスとは違い、通常のガラスに赤外線を反射する塗膜をしたもののことを言います。

そのため、通常は「普通のガラスを採用したペアガラス」を採用するか、「Low-Eガラスを使用したペアガラス」を採用するか、の選択になります。一般的にLow-Eガラス1枚だけを使用したアルミサッシを採用することはありません。

MEMO
Low-Eガラスの塗膜はペアガラスの内側に塗ってあります。室内側、屋外側など手で触れられたり、外気に触れる部分は通常のガラスのため、掃除をするときに拭いても取れません。

通常のガラスを採用したペアガラスのメリット

ペアガラスの場合、2枚のガラスの間には1cm程度の隙間(中空層)があります。その隙間は真空にされていたり、ガスが注入され、目には見えませんが熱を通しにくい状態が維持されるようにつくられ、通常のガラスが2枚組み合わされているよりもさらに断熱効果に期待がもてます。

また、1cm程度の隙間は音を遮断する効果もあります。室内で音楽を聞いていても外に漏れる音量を減らしたり、屋外の電車の音やスポーツ観戦の声、車のエンジン音など、室内に入ってくる音量を弱めます。

Low-Eガラスを採用したペアガラスのメリット

ペアガラスのメリットはそのままに、通常のガラス(板ガラス)からLow-Eガラスに変更することで赤外線を遮断する効果があります。

赤外線とは、目には見えない光の1つで、日常生活ではパンを焼くためのトースター、赤外線ヒーターなどがあります。赤い部分から赤外線を出して暖めています。

2枚あるガラスのうち、屋外側にLow-Eガラスを採用すると、太陽光に含まれる赤外線を一定量カットすることができるため、室内に入ってくる赤外線の量を減らし、夏場に室内が暖まることを防ぎます。屋外側にLow-Eガラスを採用すると、ストーブやファンヒーター、薪ストーブなどから発せられる赤外線を屋外に逃げ出してしまう量を減らすことができるため、冬場に暖かさを維持しやすくなるメリットがあります。

Low-Eガラスにも弱点はあります。

屋外側にLow-Eガラスを採用した場合、室内における夏場の暑さを和らげる効果は絶大ですが、冬場の暖かさも弱めてしまうデメリットがあります。太陽の光は室内に入ってきますが、赤外線が遮断されてしまうため、光だけであり、体の芯で感じる暖かさは遮断されてしまいます。結果的に冬場は暖房器具必須になります。

Low-Eガラスはコストパフォーマンスに難あり?

普通のガラス(板ガラス)に比べてLow-Eガラスの価格は高く、3〜4割ほど高くなります。Low-Eガラスを採用した時にかかる費用とLow-Eガラスを採用したことで1年間に安くなる冷暖房費用を計算すると、元が取れるとは言い切れないところが現状であり、金額ベースのコストパフォーマンスには難があるとも言えます。

この辺りは車と同じです。ガソリン車の方が安くハイブリッド車の方が高額ですが、ガソリン代(燃費)で元が取れるか、ということです。

Low-Eガラスを採用する時には、冷暖房費用を浮かせて元を取る感覚ではなく、日々の日常生活が快適になるという感覚で選ぶ必要があります。

住宅をつくる費用やリフォームをする費用を抑えるために、小さな窓は普通のガラスを使用したペアガラス、大きな掃き出し窓はLow-Eガラスを使用したペアガラスにするなど、メリハリを付けることで、建設費を抑えることも大切なことです。

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