ロフトを子ども部屋として使用してはいけない

住宅を建てるときにロフト(屋根裏収納)があると物をロフトに収納することができるため、各室を広く使うことができ便利です。ロフトを広くつくると、収納庫として使っているだけでは勿体ない!部屋として使えるのではないか?と思われる方も多いと思います。

仮に2階建ての家にリビングと繋がる窓を備えた環境のいいロフトがあった場合、天井高が低くても、その場所を寝室として就寝することもできます。

一見すると、何の問題もないと思われるかもしれませんが間違っています。ロフトは建築的に人が常時いないことを前提とした小屋裏収納としてしか考えられていません。3階建てと同じようロフトを使用することは認められていません。

なぜロフトで寝てはダメ?

ロフトを寝室にしたり、子ども室にしたりすることがなぜダメなのか。ロフトを作るときに適用される法律を見ていく必要があります。ロフトには建築基準法で主に4つの規制がかけられています。

  • 下階(2階建てであれば2階)の床面積の1/2までのロフトをつくることができる(細かい規定は別途あります)
  • 最高天井高は1.4m以下まで可能
  • 風通し用の窓としてロフト床面積の1/20までつくることができる
  • ロフトへは固定階段が認められている(認められていない地域もあります)

ロフトの大きさ。ロフトの床面積については細かい規定がされていますが、大まかに下階(2階建てであれば2階)の床面積の1/2までのロフトをつくることができます。あまり大きな床面積を認めてしまうと、3階建ての住宅と変わりなくなってしまうからです。

ロフトの天井高は1.4m以下と規定されています。収納庫としては十分な天井高ですが、生活をするには低い天井高であり、ロフトで生活ができないように考えられています。

ロフトの窓の大きさはロフトの床面積の1/20の大きさまで作ることが可能です。通常の部屋は、窓が大きければ大きいほど太陽光が降り注ぎ、室内環境がよくなると考えられていますが、ロフトは逆に小さくすることが求められています。ロフトの窓はあくまでも換気用の窓として考えられているためです。

ロフトへ行くための階段は数年前までハシゴのみしか認められていませんでしたが、現在では1階から2階へ上がるような通常の階段も認められるようになってきました。(一部の地域では現在も認められていません)

ロフトは居住性を悪く規定することで、暮らす場所ではなく収納庫として使用するように考えられています。

住む人の命を守るための法律

住まい方ではなく、建物の側面からロフトを考えています。建物の高さが高くなればなるほど、地震時にかかる建物の負担は大きくなります。(例えば、地震時に高層ビルが右へ左へ大きく揺れていることと同じです。)地震時に家が倒壊しないように2階建ての住宅に比べ3階建ての住宅は、かなり厳しい法律が適用されるようになっています。

ロフト付きで2階建ての住宅を建てる時に3階建ての住宅と同じように、地震に対して厳しい法律をクリアできるように作れば問題ないという考えもありますが、その法律をクリアするためには、建物の構造計算をするための予算に加え、耐力壁が増えることによる予算も増額します。また、間取りの制限にも発展していきます。

一般的なロフト付きの2階建て住宅は、2階建ての家を地震から守る法律しかクリアしていません。3階建ての家のようにロフトを使用することに対して、法律的に命を守ることはできないことにもなります。2階建てのロフトは収納場所として例外的に認められたものです。

もちろん、寝てはいけないという法律はなく、罰せられる事もありません。ロフトを寝室や子ども室として使用することは住む方の自己責任になります。ロフトはあくまでも臨時的な空間であり場所です。日常的に長時間滞在する場所ではなく、たまに物などを収納したり、取り出したりするための場所です。

ロフトに子どもを寝かせておくなどの行為は、わざわざ家の中で一番危険な場所に子どもを行かせることと同じことと言えるかもしれません。

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