マンション傾斜は偽装したことが問題ということ

一部メディアで大手企業が販売した横浜市内のマンションが傾斜していると大きな話題になっています。設計、施工を行った企業も別の大手企業ですが、築10年程度と比較的新しいマンションが傾斜していることが問題となっています。

鉄筋コンクリート造12階建ての大型マンションで、50mほどの長さのマンションが最大で2.5cm程度沈下したと言われています。全52本の杭の内、8本の杭に問題があることがわかっています。

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時間と共に建物が傾斜することはある

傾斜しているマンションで一番の問題点は「社員が支持地盤の位置データ取得に失敗をし、別のデータを転用した」ところです。正しいデータで計算されなかったことで正しい杭が打てず、地盤に杭が届かない自体となったと考えています。

建物が傾斜すること自体は大きな問題ではありません。今回の傾斜したマンションも50mの建物に対して2.5cmの沈下から、傾斜度は5/10000となり、歩いて気づく人がいるかもわからない程度の傾斜です。全国に建つマンションや戸建て住宅を調べれば、たくさん出てくると思います。

全く沈まない建物を土の上に作ることは不可能と言えます。

今回も設計上でデータが改ざんされましたが、その資料を基に行政がチェックを行いましたがマンションは建設されてしまいました。実際にマンションをつくる施工の上でも誤差は生じます。

例えマンションが完璧な状態で作られたとしても、近くで掘削工事が行われたり、地下水の現象で地盤が変化することも日常的にあります。土の上にラインを引いて所有者は分けられていますが、土は隣ともその隣ともつながっているのです。

杭には固い地盤に杭を打ち建物を支える支持杭だけではなく、土の摩擦力で建物の支える摩擦杭もあります。山を切り開いたり、海を埋め立てたり、元々沼地が広がる土地などは、掘っても固い地盤は出てこない可能性もあります。
杭を長くすればするほどお金がかかることから、摩擦力で建物を支える方法を採用することもあります。仮にすべての建物が固い地盤に杭が到達することが義務づけられれば、一定の地域で建物価格が高騰し、社会的問題も起こると考えられます。

信頼とお金で購入したがハズレたということ

今回のマンションの傾斜は日本でよく知られた大手企業が設計、施工を行い、誰もが知っている大手企業が販売を行った建物でした。一般的に小さな企業に比べ大きな企業は施工の信頼性が高く、問題が置きにくい上に起こったとしても保障が手厚いと考えられます。それを信頼をしてブランド力に対して通常以上のお金を支払います。

今回の問題は大手企業であっても問題が起こったマンションであったものの、しっかりとした対応の元、保障される流れとなっています。

問題は傾斜したマンションがさらに沈むのか、これ以上沈まないのかが問題となります。

知ること、調べること、リスク管理をすることが大切

相手側から提供された資料を鵜呑みにして問題が起これば徹底的に責め立てるのではなく、自分が納得をできるところまで自分の足を使って調べることが必要です。

利便性などのアクセスのしやすさだけではなく、土地であれば自治体や図書館に資料がありますし、近隣の建物を見て回ることも大切です。

自分自身で責任を持って行動し、リスク管理することが求められています。

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