シックハウス症候群にならないためのベークアウト

シックハウス症候群に大きく関わるF★★★★の意味、その対策としてのベーク・アウトの方法をご紹介します。

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シックハウス症候群とは

シックハウス症候群の主な原因は、新築住宅の家本体や家具などに使われる接着剤やシロアリ防腐剤など含まれる化学物質が室内の空気を汚染することで、居住者に倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などの症状が人体にがあらわれることを言います。有毒な化学物質には、合板の接着剤や塗料などに使用されるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエンなどがあります。

アレルギー反応は個人差があり、シックハウス症候群になると本当に小さな化学物質にも反応してしまうようになる人もいます。

「シックハウス症候群」は日本だけの問題ではなく、世界(世界では「シックビル症候群」)で起こっている問題です。日本では1990年代に厚生労働省がホルムアルデヒトのガイドラインを作成したことからメディアでも大きく取り上げられるようになり、2000年代に建築基準法にシックハウス対策が盛り込まれたことにより実際の一般住宅においても対策が義務づけられました。

昔に建てられた建物は良い意味でも悪い意味でも住宅に「隙間」がたくさんありました。壁や建具の間には「隙間」があり、すきま風という言葉も生まれています。近年は高断熱高気密化により建物の隙間は少なくなり、熱を逃がさない家となりました。省エネルギーの観点で見ればよいことですが、建物に使用される接着剤や防腐剤も「隙間」を利用して逃がせなくなりました。

その対策として、室内の空気を屋外に出すべく24時間換気が生まれました。住宅の部屋に換気扇がついているのはそのためで、建築基準法で義務づけされました。

合板や塗料に使用されるF★★★★の意味

木造住宅には壁や屋根、床などの表面には見えない部分に下地として合板が使用されています。合板はベニヤの薄い単板を接着剤で何枚も重ね合わせて接着したもので、大量の接着剤が使用されています。

合板が使用される前は、木を1cm程度にスライスした板が使われていましたが、合板は工事しやすく施工期間の短縮も図れることから、今ではほとんどの現場で合板が使われています。

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上側の写真にあるように合板には1枚1枚スタンプが押してあります。「等級」は合板の強度を表し「ホルムアルデヒト放散量」はF★★★★などで表しています。

ホルムアルデヒトとは接着剤などに含まれる有害物質のことで、その放散量を「F★~F★★★★」の4分類に分けています。F★はホルムアルデヒドの放散量が多く、F★★★★は放散量が少なく安全であることを示しています。
接着剤が使われていない単板はホルムアルデヒト放散量に該当しませんので、放散量がなくF★★★★よりさらに安全です。

最近ではF★★★★以外の合板は見たことがないほど一般的なもとのなっています。もし実際に見てみたい方はホームセンターなどの木材売り場に行くと合板が売っていますので確認してみてください。ハンコが確認できるはずです。

ベーク・アウトで新築住宅にも住めるように

新築住宅には規制をかけても微量な化学物質は含まれています。使用する材料を厳選することでかなり少なくすることもできますが、新築後の住宅においても化学物質を減らす「ベーク・アウト」という方法があります。

「ベーク・アウト」とは材料に含まれる化学物質を短時間で気化させ取り除く手法です。一度気化した化学物質は再度復活することはありません。また、すべての化学物質を取り除くことは不可能ですが、およそ新築時の1/6になると言われています。

室内を高温で保つこと
高温であればあるほど、化学物質が気化しやすい。夏場でもストーブをつけて室内を高温にする。
室内の空気をすべて取り替える
気化した化学物質を含む室内空気をすべて入れ替える。
1日に数サイクル、数日実行をする。

もし、引っ越した後の家具も気になるようであれば、家具ごとベーク・アウトすることも可能です。

人間が長い年月をかけて使用してきたものについては免疫機能がついていますが、新しい物質に対しては免疫機能がなく、アレルギー反応を起こします。
化学物質の影響を受けやすいのは女性と子どもであり、女性には女性ホルモンに影響を与える化学物質が存在していること。子どもは体が小さいため化学物質濃度の影響を受けやすいことがあげられます。

「ベーク・アウト」は個人で実行せず、専門家と共に行いましょう。室内の大きさや化学物質濃度により違うため、実行前、実行後の化学物質濃度を計測し、確実に行う必要があります。

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