2世帯住宅は音の問題との戦い

二世帯住宅の子ども世帯・親世帯の距離の取り方やプラン方法にはコツがあります。住み始めてから問題にならないようにプランを考えるタイミングでチェックしておきましょう!

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2世帯住宅は今後増加すると考えられる

日本は戦後、多世代同居型の家が一般的でしたが、高度成長期に入りバブル経済になる中で各世帯が家を持つ流れとなっていきました。それが大きく変わろうとしています。

1つ目としては3.11東日本大震災と言われています。多くの人が家族と連絡が取れず「少しでも家族と同じ時間を共有したい」と思われた方が多く、子ども世帯から「親世帯の老後をみたい」が増加したとともに、親世帯自身が老化により体の不安が増加する中で子ども世帯に同居の話を持ちかける傾向も増えていると言われています。

2つ目は経済的な問題です。世界経済や日本経済が不安定になる中で子ども世帯の収入が増えず、家庭を安定させるために夫婦共働きの家が増え続けています。
子ども世帯の年間の収入では戸建て住宅やマンションなどを現状としてすぐに購入することが難しいことがあげられます。
また、共働きが故に子どもを預ける保育所の定員がいっぱいであることもあり、親世帯に一時的に子どもをみていてほしいということもあると考えられます。

環境的、経済的など、いろいろな側面から子ども世帯、親世帯の双方が二世帯住宅を望んでいると思われます。

2世帯住宅のプランパターン

2世帯住宅と言っても完全なる同居型からお互いの距離をキチンと取る形など暮らし方はさまざまです。始めに子ども世代と親世代が同居すると決めた場合、始めにしっかりと話し合いをした上でお互いの距離の取り方を決めることで、今後の生活する中での問題を少なくします。

プランパターンの一例を挙げてみました。

すべてを共有する同居

玄関からリビング、キッチン、洗面浴室などすべてを共有し、寝室などの各個室のみ別とする形です。家族関係がしっかりしている上、仲が良い家族にはお勧めできる形です。
また、建築予算を少なくすることができるメリットもあります。

玄関のみ共有する同居

玄関のみを共有して、リビングや水回りなどを別とするパターンです。玄関を共有していることにより、お互いの出入りを知ることで世帯間の動きを言わなくてもわかる=感じることができるメリットがあります。

共有しない同居

すべてのものを共有しない形でマンションに近いパターンになります。両者が一定の距離を取ることでプライバシーを確保することができます。また、何かあった場合はすぐに連絡しあうことができるメリットがあります。
しかし、この場合は法律的に二世帯住宅として成立しないため、廊下の一部などでつなぐ必要があります。(扉で仕切ることは可能)

2世帯住宅は音の問題との戦い

二世帯住宅を建てる際に一番気をつける必要があることは「音の問題」です。一般的には親世帯が1階、子ども世帯が2階となることが多いです。

生活時間帯のズレは大きく、夜遅くまで起きている子ども世帯に対して早寝早起きの親世帯にとって、上がうるさくて寝られないと言った問題や朝早くから洗濯機の音が上の階に響き、朝早くから起こされると言った問題も起きています。

木造住宅や鉄骨造住宅、コンクリート住宅の一部において、防音材、遮音ゴムや遮音シート、遮音合板、遮音フローリング、配水管の防音など多種多様な製品が発売されていますが、子どもが飛び跳ねる重低音から食器などを落とす軽量音まですべての音質を完全に遮音できる方法はありません。
メリットデメリットがあります。

そのため、双方が適度に気をつけあいながら生活することで小さな問題が大きな揉め事に発展することを押さえられると考えます。

1階にも光が入るプラン計画が必要

二世帯住宅を建てる際に多いパターンは現在両親が住んでいる家を建て替えて二世帯住宅を建てるということです。 一般的には敷地は一世帯住宅用の大きさしかなく、その土地に大きな二世帯住宅を建てることで敷地ギリギリまで家が建ちます。建てられた家は今よりも隣家と近づくことが考えられます。

大きな2階建てを建てた場合、1階に大きな窓を計画しても隣家に近づいたことで光が入る時間が減り暗い部屋になりがちです。また、音の問題もあることから建物の一部に吹き抜けることもできません。

その対比として2階は大きな窓から太陽の光が降り注ぎ、一部にトップライトを計画する事でさらに光を取り込むことができます。

この問題を解決するためには、建物の大きさを小さくすることや土地と建物を売却し別の土地を探すことも考える必要があります。
自分だけではなく双方の生活環境もよくみていく必要があります。

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