土地の過去を調べて自然災害の起こりやすさを知る

土地の地形や地名からこの土地の経歴を知ることができます。建物を建ててよい土地かどうか判断しましょう。

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地名は語る

日本には住所がありますが、家を建てる際にも地名は重要な意味を成します。住所に「水」に伴う漢字が使われていれば、昔は川であったことや、「桑」という漢字が使われていれば、昔は桑畑であったことなど、昔がどのような土地であったのかを表していることが多いです。現在は市町村合併などで昔の地名がどんどん消えてわからなくなってきています。

また、歴史を紐解いてみれば、例えば愛知県の名古屋城の位置は南に城下町、北に沼地という地形でした。徳川家康は北が沼地であるため攻め込まれにくいことを利用して、この場所に白を築城して守りを固めていました。さらには、同じ愛知県の清須市は平地なのにもかかわらず、「清洲越え」と言われていました。その由来は土地が沼地で歩きにくく危険を伴った土地であったことが由来です。

しかし、今ではどちらも住宅地です。地盤の悪いところにおいても今では技術力で建物が建てられます。大雨が降るとこの地域に水が溜まる。地震時に揺れが激しい。などあるかもしれません。

引っ越しをして新居を建てられる場合には一度、古地図を見てみたり、土地の状況を確認したり、市役所に聞いてみたり、近所の人に聞いてみたり・・・してみてください。不動産を探す1つの参考になると思います。生活の利便性以外にその土地のよいところが発見できるかもしれません。

災害の起こりやすさを確かめる

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2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震により大きな津波被害を日本は受けました。地震以前においても、以後においても日本各地で台風による川の氾濫や堤防の決壊、家の浸水など、水に関連する被害が多発しています。

また、夏になれば各地でゲリラ豪雨も頻発しています。この状況は地球温暖化から起こっていることであり来年は起こらないどころか、数が増えていくと考えられています。

家を建てる際はできれば家が浸水しない地域に建てたいと思うのは普通の考えです。河川や雨による浸水に限り、確認する場合は少なくとも下記の情報は調べておきたい。

  1. 河川の位置
  2. 等高線による家の敷地の状況
  3. 河川の堤防の状態、高さ
  4. 敷地の雨水等の排水能力(特に住宅地は注意)
  5. 排水先の河川の状況(川の大小、水門等)

自然の土地としての状況、人口的な排水としての状況の2点は役所や図書館、近隣との会話の中で事前に調べておきたいポイントであると考えます。

上記の事から「高台の方がよい」と考えがちですが、高台は風の影響を大きく受けるため、また別の問題が発生することを考えておく必要があります。

液状化現象で家が沈む

液状化現象は一般的な解釈では「埋め立て地で地面から水が染み出してくる現象」という判断がなされています。「埋め立て地ではないから安全、液状化現象は起こらない」という認識が広がっています。
特に東京都や千葉県、大阪府などの臨海地区で大規模におこったものをメディアが取り上げることが原因の1つだと思います。

しかし、実際は世界中どこの土地でも起こりうる問題です。

液状化現象が起こるために必要な事は、
1. 固く締まっていない砂質地盤
2. 地下水位が高く土の粒子感に水が飽和しやすい

この2点がそろうことで、地面を揺らせば液状化現象が起こります。

例えば、山に囲まれた盆地の場合、山の砂が窪みに堆積しているため砂質であり、山に降った雨が山に染みこみ、水が豊富な状態になりやすいことから液状化現象が起こっても不思議ではない土地と言えます。

他にも大きな河川の周辺、河川跡、扇状地などにも注意が必要と言えます。

ポイントが満たされていても必ず起こるということはありませんが、可能性があるということを頭の片隅に入れておきましょう。

家の地盤は硬い?サラサラ?

家を建てる敷地をパッと見て地盤の良し悪しはわからないもので、表面はしっかりした土質であっても、少し掘ると砂質である場合もあります。そのために家を建てる前に「地盤調査」を行います。スウェーデン式サウンディング試験やボーリング試験などで地盤の地耐力を調べます。

人の重さは60kg程度、車の重さは1.5t程度、家は木造住宅でも70t程度。その重さを支えられるかどうかを調べます。支えられなければ家は傾きながら沈んでいくことになります。

山を切り開いて住宅地や海を埋め立てて造成した場所など、人口的に土をさわって場所では一般的には地耐力は低い可能性が高くなります。

土は自然の雨風などで長い時間をかけてじっくりと締まっていきます。それを人口的に重機で押し固めた場合や土を盛っただけでは、土は締まっていきますが自然の時間にはかないません。また、場所によっては地盤の奥深くから古い産業廃棄物が出てくる可能性も否定できません。

地盤調査の結果は各会社が重要な資料として持っていますので確認をしましょう。

土地の価格

一番身近にありながら金銭的な感覚がわかりにくいのは不動産です。その中で土地の価格の決まり方や相場の調べ方などの情報を整理しました。

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土地の値段の決め方

不動産屋さんの広告で「○○駅徒歩5分 日当たり良好 ○○○○万円!」という紙面はよくあります。土地に定価はありません。買いたい人と売りたい人の金額が一致すれば売買が成立する世界です。
しかし、土地を探す人には提示された金額が適正な価格なのか判断する術がありません。不動産屋さんに「いい土地ですよ」と言われるといい土地と思い込んでしまう人も多いです。

土地を探している人は世の中に多く、買おうと思い不動産屋さんに連絡を入れると、先ほど買い手がついたということもよく聞く話です。土地には地域によってある程度の相場がついています。

例えば、都市圏になれば鉄道の沿線の駅が1つの基準になり、最寄りの駅から距離、コンビニ、スーパー等の商業施設や住環境の状態などによって大きく分けられます。

土地の相場を調べる

土地の地価を手軽に調べられるように国土交通省が提供しています。

> 国土交通省地価公示・都道府県地価調査

日本全国の毎年1月1日現在の地価を調べることができます。市町村、地域、番地まで絞った金額が表示されますが、表示された土地が隣接する道路が細い道路であったり、風俗店の隣であったりと土地の状況までは読み取れないため、あくまで目安にしかならないため注意が必要です。

いい土地が見つからない

土地を調べているとなかなかいい土地というものには巡り会えません。土地は長い時間をかけて流動しているため、毎日新しい土地が何件もでてくるものではないからです。しかし、ここで確実にいい土地を取得しているところがあります。

それはハウスメーカーや大手不動産会社です。まとまった土地を営業をすることで取引を成立させます。その広大な土地を個人が買いやすい大きさに仕切り、建て売り住宅として販売をします。

残念ながら小さな不動産会社にはそのような力はありません。ただ、家を建てる業者をハウスメーカーなど数社から選ぶ形でのみ土地を販売している業者もあります。気に入った土地が見つかれば、そのような方法で土地を決めることも、いい場所に住む1つのポイントと言えます。

買う土地を決める

広くて安い土地を見つけたからと言って、すぐに飛びついて契約することはおすすめしません。安いと言うことは何か問題がある場合があるからです。必ず不動産屋さんと現地へ行き、問題のポイントを整理して話してもらいましょう。

例えば、線路沿いの土地で朝早くから電車が通り、振動あるため安くなっている土地があるとします。しかし、電車好きであれば、土地の欠点がよい点に変わります。その上で「買いたい」と思う土地を選ぶことで長い間つきあっていける土地に住むことができます。

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